AIに頼んだ仕事が、パソコンを閉じた後も進む。必要な情報を集め、資料を準備し、判断が必要になったら知らせてくれる。
こうした使い方を目指すサービスとして、Claude Duet、OpenAIのDots、xAIのGrok Botが登場しています。
経営者が選ぶ際に見たいのは、自社の仕事をどこまで任せられ、途中の作業をどう確認できるかです。3製品の公式情報から、その違いを整理します。
※2026年11月6日時点の公式資料に基づきます。実機による比較ではなく、機能・提供条件は変更される場合があります。
何が変わるのか――会話の合間にも仕事が進む
3製品に共通するのは、クラウド上の作業環境を持ち、利用者が画面を閉じた後も仕事を続けられる点です。
調査、資料作成、接続したアプリでの作業などを、会話を通じて依頼します。単発の回答に加え、継続する仕事の進捗や背景を扱う方向へ進んでいます。
出典:Claude Duet公式ヘルプ、OpenAI「Meet dots」、Grok Bot公式ガイド
経営上の意味は、AIを使う範囲が「文章をつくる作業」から、その前後にある情報収集や段取りにも広がることです。
例えば商談準備では、顧客情報を探す、過去の約束を確認する、当日の論点を整理する、といった仕事があります。この一連の準備をどこまで任せられるかが、実務での評価ポイントになります。
3製品の違いはどこにあるか
以下は各社の公式説明から、比較時に注目したい点を整理したものです。記載した特徴が、その製品だけにあることを意味するものではありません。
| 比較項目 | Claude Duet | Dots | Grok Bot |
|---|---|---|---|
| 公式説明で注目したい使い方 | メールや予定から重要事項を整理し、対応を準備 | 複数の仕事を継続して追い、必要に応じてWorkやCodexにも作業を依頼 | 役割を持つ複数のBotを作り、連携して仕事を進める |
| 既存環境との関係 | Claudeの記憶や接続アプリを引き継ぐ | ChatGPTの文脈や接続アプリを使う。自分のPC接続も選べる | アプリ接続に加え、ブラウザー操作などで作業 |
| 作業の確認 | タスク一覧で確認。現時点ではブラウザー作業を見たり引き継いだりできない | Activityで進捗や成果物、判断待ちを確認 | クラウドの画面を見て、必要な操作を人が引き継げる |
| 導入前に見たい点 | 米国向け試験提供の条件と、接続アプリの制限 | 対象プラン・地域・管理者設定と、任せる操作のルール | Bot間で共有する情報と、操作の承認設定 |
出典:Claude Duet公式ヘルプ、Dotsの使い始め方、Dotsの操作・確認ルール、Grok Bot概要、Grok Botの作業環境
自社では、どれを検討するか
ここからは、公式機能を踏まえた当社の考察です。
ChatGPTで資料作成や業務支援を進めている会社なら、Dotsを比較検討の出発点にする方法があります。既存の仕事や接続アプリとのつながりを確認しやすいためです。ただし、利用できるかはプラン、地域、段階展開、社内設定によります。
出典:Dotsの概要・利用条件
複数の役割に仕事を分けて進めたい場合は、Grok Botの構成が検討材料になります。 例えば調査と資料作成を分担させる運用です。一方、同じアカウントのBotはクラウド上のファイルやログイン状態などを共有します。役割を分けても、情報へのアクセスまで分離されるわけではありません。
Claudeを使い、メールや予定の整理を任せたい場合は、Claude Duetの今後の展開に注目です。 ただし、現時点では米国のPro・Max・Ultra利用者への招待制で、Team・Enterpriseは対象外です。日本の企業がすぐ導入できる選択肢としては扱えません。また、Microsoft 365は現時点で未対応と説明されています。
「自動で動く範囲」は、導入前に確かめたい
3製品とも、AIに任せる操作と、人が確認する操作の扱いが重要です。
Dotsは、指示や権限、独自ルールなどを基に操作を自動審査します。また、AIが自発的に行う情報収集には、読み取り専用という制限があります。依頼された仕事の実行とは区別されています。
Grok Botも操作の自動審査と承認ルールを備えています。公式資料では、依頼内容や設定によって操作が進むため、送信・公開・削除などについて明確に境界を示すよう案内しています。
Claude Duetは重要操作の承認などを説明していますが、安全性資料では保護機能の見逃しや誤検知もあり得るとしています。
導入時には、「顧客への返信は下書きまで」「共有資料の変更前に確認する」など、自社の仕事に合わせて任せる範囲を決める必要があります。
最初の比較は、同じ仕事を一つ任せてみる
当社の提案は、利用可能な製品で同じ小さな仕事を試すことです。
例えば「次回商談に向けて、指定した資料から経緯・未対応事項・確認したい論点を1枚にまとめる」という依頼です。最初は機密性の低い資料を使い、顧客への送信は含めません。
見るべき点は次の3つです。
- 必要な情報が揃い、根拠を確認できるか
- 人の確認・修正を含めた合計時間が減るか
- 途中で止まった際、理由が分かり、再開できるか
日本語での正確さ、接続先での動作、時間削減効果について、本記事では比較検証していません。
自社に合う製品を判断するには、月額料金に加え、設定や確認にかかる人の負担まで見ることが必要です。まず一つの仕事で、任せられた範囲と、人が手を加えた範囲を記録すると、継続利用の判断がしやすくなります。